町医者の生態をゆるくつづったブログ

なにわ膵臓がん早期発見プロジェクト

 膵がんが急増しています。以前は比較的まれながんでしたが、最近では年間3万人近くの方が亡くなっています。男性はがん死亡の第5位、女性は乳がんを抜いて第4位の死亡数です。膵がんがなにより恐い理由は、早期発見が難しいことです。膵臓はおなかの最も奥にあり、検診や各種検査でもかなり見つけにくいのです。ちょうど数の子のような感じで、薄っぺらく、しっかりした外膜がないので、1〜2cmの大きさで充分に転移可能な進行がんになってしまします。転移を起こしやすい上に、小さな状態では発見できないという治療困難な難治がんと言えます。
 ところが最近、熱心な先生方による医療連携において、少しづつではありますが、比較的早期のがんが見つかるようになって来ています。開業医と専門医の緊密な連携が大切で、何か気になることがあれば、早めに相談することが大切です。下に気をつけるべき所見をあげておきますので、参考にしてください。
*原因不明の腹痛・背部痛がある
*膵酵素(アミラーゼ・リパーゼ)の異常を指摘された
CA19-9,CEA,エラスターゼ1など腫瘍マーカー高値
*超音波検査で、膵のう胞や膵管拡張がある
*慢性膵炎といわれたことがある
*急性膵炎にかかったことがある
*糖尿病が急に発病した・悪化した
*膵がんの家族歴がある
 (なにわ早期膵がん発見プロジェクトより一部改変)
これらの症状や所見のある方は、一度かかりつけ医に相談の上、
専門医受診をお勧めします。当院の近隣では、大阪赤十字病院と警察病院が、医師会と協力していただいております。

大阪北部地震の被害状況について

 6月18日朝8時前、ズドンと縦ゆれの後、ユッサユッサ横揺れがあり、
天王寺区は震度4にみまわれました。
 震源の近く、高槻市茨木市は大きな被害があり、お見舞い申し上げます。
 当地区、天王寺は、ライフライン(水・電気・ガス)の分断はなく、
当日も 通常通り診療ができました。
 ただ、エレベーターが終日止まり、ご高齢の方にはご迷惑をおかけしました。
また、大阪市内の交通網が麻痺してしまったので、
スタッフの出勤に影響がでて、医院の戦力が通常の6-7割にダウンしました。
 当日の診療の特徴として、阪神淡路の時のような外傷の患者さんはなく(外科は標榜してませんが)、
めまい・ふらつき・嘔気・嘔吐などの症状を訴える方が、普段より多い印象でした。
 熊本地震の時のように、1回目は余震ということもありうるので、
今週いっぱいは、危機意識を持って 慎重にやっていこうとスタッフ一同考えています。
 遠方からの患者さんには、ご心配をおかけしていますが、
エレベーターも復旧し、当院の被害は現状ありませんので、どうぞご安心くださいませ。

はじめに言葉ありき!

 あけましておめでとうございます!
今年も(ゆるいブログですが)よろしくお願いします。
 今回は、言葉の大切さについて考えてみました。
聖書では「はじめに言葉があった」、
神道では「言葉には魂の力が宿る、言霊:ことだまという」、
仏教では「正しい言葉の後に正しい行為が続く」
と教えています。
 私たちが日々何気なく発する言葉には、実はとても力があります。
日々の医療現場でも、多くの患者さんから感じられることがあります。
「毎年そろそろカゼを引くころかな?」と言えば本当にカゼを引き、
「私の○○はなかなか治らない!」と言えばそのとおりになります。
逆に、進行がんの方でも
「○○が終わるまで絶対死なないぞ!」
抗がん剤効いてるぞ、ありがたい!」と言えば予後は改善します。
 自分に良い言葉かけをし、他人に感謝の言葉を発している人は、
たとえ病気になったとしても、
「早い健康の回復や生存期間の延長」というご褒美があると思われてならないのです。
みなさんもできるだけ良い言葉を選んで使ってみてください。

世界都市ランキング

 都市戦略研究所というところから、

「世界都市総合ランキング」 なるものが発表されました。

 1位 ロンドン 2位 ニューヨーク 3位 東京 4位 パリ

と続き、 

 わが 大阪 は前回より4位下げての 26位 でした。

大阪住民としては 納得いかない結果で、

外国のことはわかりませんが、東京とくらべて

1.ごはんがうまくて安い
2.交通渋滞や満員電車がかなりまし
3.規則に縛られず自由な雰囲気がある
4.ひとがやさしい(おせっかい)
5.町がコンパクトで買い物がしやすい

 大阪のほうがいいことばっかりで、

東京に負けているのは

都心部に緑が少ないこと」 だけだとおもうのです。

反論があればききたいものです。

夏かぜ流行中

 昨日の日曜日、天王寺区医師会からの依頼で、急病診療所に出務してきました。
前回出務は、1月後半でしたので、インフルエンザ患者さんが、
集中して来院され、野戦病院のような殺伐とした雰囲気でした(汗)。
 今回は、患者さんの数はそれぼど多くなかったのですが、
「夏かぜ3兄弟」*の流行が始まっています。
その中でも、ヘルパンギーナといって、
熱が出て、のどが腫れて痛み、ご飯が食べにくくなる
ウイルス性のかぜが多く来られました。
 喜多岡医院でも、「プール熱」「手足口病」は少しづつ増えて
いましたので、これから本格的に夏かぜ流行の予感がしました。
 広域から患者さんがこられる、急病診療所ならではの、
これからの流行予想でした。


*夏かぜ3兄弟とは
1.プール熱 高熱とのどの腫れ、結膜炎・下痢などが特徴で、
アデノウイルスが原因。
2.手足口病 のどの痛みと、手足にポツポツと水疱が出る
エンテロ/コクサッキーウイルスが原因。
3.ヘルパンギーナ 
熱とのどの痛みで発病する、エンテロウイルスが原因。
 この3つは、春先から夏ごろに流行するので、夏かぜ3兄弟
と呼ばれています。*

慢性便秘について勉強してきました

[:240:right]
 今日は医師会の講演会の座長をしてきました。
テーマは、「慢性便秘症のマネージメント」で、
大阪市大付属病院教授の渡辺先生のお話を拝聴しました。
 便秘の医学的定義は、今まで明確でなかったのですが、
「十分な量の便が、スッキリ(快適に)出ない状態」
という一言で表現できると教わりました。
 患者さんの自覚症状としては、
1.便を出しにくい
2.便の回数が少ない
3.スッキリ出ない の順で、
生活の質を確実に低下させる不快な状態といえます。
また、便秘の方が将来、大腸がんになる確率が5割増
であるとする報告もあります。
 また、単純性便秘と病気が原因で便秘になっている
場合を分けて考えねばなりません。
 要注意なのは、
・最近発症した便秘
・体重減少
・大腸がんの家族歴
・直腸出血
・50歳以上の便秘 で、
これらの場合は、一度は内視鏡検査などを
考える必要があります。
 単純性便秘症の場合、今までの下剤の欠点を
おぎなったお薬がありますので、
当院で、ご相談ください。

高校の健康診断

kitao09142017-04-05

今日は ある公立高校の健康診断にヘルプで行って来ました。

 高校3年生ともなると もう大人で、

お化粧も着けまつげもピアスも かなりの子がしていて、

私の本業(笑)の、小学生の健康診断とは まったく違います。

 また、まだ入学式前の新1年生は、バラバラの出身中学の体操服を着て、

みな緊張した面持ちで、とても初々しい印象です。

 私が学校医をしている小学校からも、この高校に1人合格しており、

Nちゃんおめでとう、おぼえてる? と声をかけてみると、

あっ、喜多岡先生ですか?と答えてくれました。

 今年、大阪府立高校で最も倍率が高かった名門校に

合格おめでとう! 

そして私をおぼえてくれていて ありがとう! 

ちょっとうれしかったです。

インフルエンザ流行中

 あけましておめでとうございます。
年末から、インフルエンザがパラパラ流行りだしました。
当院では、毎日1-2人の患者さんがみえます。昨日は4人でした。
子供よりも大人のほうが多い印象を受けます。
 ちなみに すべてA型です。
もう今シーズン24名になりました。昨シーズン累計は180名でした。
本格的な流行は、学校が始まる成人式後となると思われますが、
手洗い・うがい・マスクなどの予防に努めましょう。
 かかったかな?と思ったら、半日程度様子を見た上で、
48時間以内に受診しましょう。
大変良く効くお薬(イナビル)がありますので、
早めの受診をお勧めします。
 また、10歳代の世代はお薬と関係なく、インフルエンザによる
せん妄・脳症がおこりやすいので、2日間は目を離さないようにしましょう。

人に接する上で大切なこと

 最近本屋さんに行くと、松浦弥太郎さんの本が多く平積みにされています。
松浦さんは、朝ドラ「ととねえちゃん」のモデルになった、
「暮らしの手帳」の元編集長で、現在クックパッドを主宰されている方です。
彼の本の中に、人に接する上で大切なことはなにか?が書かれています。
 1.笑顔で接すること
 2.名前を呼ぶこと
 3.まごころで対応すること
この3つが大切とおっしゃっています。
 私も、そのとおりだといたく納得しました。
でも、本当に自分はそれができているのか?
わかっていることと、できていることは違う!!
 口角を上げて「ニコッと」笑う練習をしよう。
必ず お名前を呼んで お話ししよう。
うわべだけでなく、心からの対応をしよう。
 来月の自分の目標にしようと決めました。

ダイエットに最も大切なこと(5)

 今まで、4回にわたってダイエットの技術を説明してきました。
今回は、最も大切なことを 考えてみたいと思います。

 ひとことで言うと ”どんな自分でいたいと思っているのか” コレにつきます。
人間は、無意識(潜在意識)の中で、”現状維持”でいようとする、
ホメオスターシスの維持 という働きがあります。
つまり、体になんらかの変化がおきると、元に戻そうとするんです。
 やせた人はやせたままいようとするし、肥えた人は肥えたままいようとします。
やせたひとが少し太ると、なんかおかしいから、少しやせようと無意識が働きます。
太った人が少しやせると、なんかおかしいから、少し太ろうと無意識がするのです。
 ですから、この無意識の反応を変えるためには、
”どんな自分でいたいのか”
自分の無意識に強くイメージすることが必要なのです。
 そのためには、 具体的に 何キロやせて、どんな姿になるのか、
強く意識して その意識を潜在意識に落とし込むことが必要です。
 それができれば、 あとはこれまで触れてある4回の具体的行動あるのみです。

「これが私の人生設計」

「ひとは皆、なにかしら 偽って生きている」
自分に正直に生きられたら どんなにステキだろう!

 昨日久しぶりに妻と映画を見に行きました。
イタリア映画で、タイトルは 「これが私の人生設計」 です。


”注意!!(以下上映中で)ネタバレ含みますので ご了解ください”



 建築家として華々しいキャリアのあるアラフォー女性が、
実績を捨てて 故郷ローマに帰りました。
しかし、イタリア建築界は男性中心で、
ろくな仕事に就けず鳴かず飛ばずとなります。
 しかたなくレストランでウエイトレスとして働き出すと、
イケメンオーナーが優しくて、つい恋してしまう。
しかし、彼は実は“ゲイ”で、あえなく片思いに終わる。
 そんな時、公営住宅の建築案の公募を知り、
男性のフリをして応募し、企画が採用されてしまいます。
うまくいきそうだったんですが、結局ウソがばれてダメになってしまう。
 何をやってもうまくいかないアラフォー女性だが、
自分の信念や価値観に正直に生きることで、
周りからは応援・尊敬される っていうお話。


 みんなが自分に正直に生きることが大切と
わかっているのに なかなか実行できない。

 自分自身でコントロールできることだけは
他人に左右されないで生きていきたいですよね!

医療事務スタッフ募集中!

 スタッフ1名退職に伴い、
受付・医療事務スタッフを 募集しております。
1985〜1993年頃生まれのかた
当院、常勤スタッフになりませんか?
 結構仕事量も多く、大変なことも多いですが、
とっても やりがいのあるお仕事だと 思います。
院長はじめ 全スタッフが応援しますので、
チーム喜多岡医院のなかまになりたい方、
どしどしご応募ください。
 募集要項はこちら ↓↓↓↓↓
www.kitaokaclinic.jp/menu/employ.htm

インフルエンザ流行!

 インフルエンザが大流行しています。
今年は、A型の流行が遅れたため、
B型の流行と重なるように 今 A型・B型
ともに 猛威をふるっております。
 今年のインフルエンザは、
引きはじめの 熱の出方が比較的マイルドで、
急に高熱が出るとは限らないので 要注意です。
 特に大人のB型は、普通の風邪を思ってこられ、
検査でインフルエンザが確定すると、
大変驚かれることも 多いようです。
 治療法はA型もB型も同じで、
当院ではイナビル吸入薬を 使用してもらっています。
効果も早く、よく効きますし、
1回の吸入薬のため、副作用もほとんど気にならない程度です。
 発症後 48時間以内でないと、薬の効果が期待できないので、
早めの受診をお勧めいたします。

ヒート ショック !

冬の寒さにより、ヒートショックを呼ばれる病態が注目されています。
ヒートショックとは、入浴やトイレ前後の急激な温度変化で、
血圧が変動し起こる、「心・脳発作」と「失神による溺水」などを指します。
居室は暖かいですが、廊下や脱衣場などの気温が低いと、
身体が冷えて血管が収縮して血圧が高くなります。
次に熱い湯につかると更に血圧が上がり、
その後間もなく身体が暖まると血管が拡張し血圧が下がります。
この一旦上がった血圧が急激に下がる圧格差がヒートショックの原因です。
実際に冬場は夏の10倍以上多いと消防救急本部が発表しています。
 お風呂やトイレでのヒートショックを避けるためには、
1.廊下や脱衣場・浴室・トイレをあらかじめ暖めておく事、
2.お湯の温度を熱くしすぎない事、
3.下半身浴にして、上半身はかけ湯やタオルでしのぐこと、
4.トイレで息みすぎないように便秘しないこと
などが必要です。
ヒートショックの危険性が高いのは、
高齢者・高血圧・糖尿病・高脂血症を持っている人が挙げられます。

今年の目標!

スタッフブログで 今年の年賀状を紹介しました。
ちょっと字が小さかったので、このブログで書いてみます。

「大腸がん検診を受けましょう」
 食生活の変化が関係するのか、大腸がんの増加が著しく、
昨年のがん死亡(女性)第1位になりました。
有名人では、
大相撲・北の湖親方や俳優・今井雅之さんなどは記憶に新しいと思います。
 ところが、大腸がんはわりと治りやすいので、検診による早期発見が有効です。

 当院でも8年前から検診に積極的に取り組み、23名の方の大腸がんを発見しました。
自慢できることに、23名全員がご存命です。
一方、同じ期間に腹痛・出血・便秘などの症状で見つかった
11名のうち、6名がお亡くなりになっています。
大腸がんは検診の効果が期待できる代表なのです。
40歳になったら毎年大腸がん検診をうけましょう。
検診で陽性となったら、嫌がらず
必ず大腸内視鏡検査をうけましょう。
失わなくて済むはずの命をムダにしないために。