町医者の生態をゆるくつづったブログ

なにわ膵臓がん早期発見プロジェクト

 膵がんが急増しています。以前は比較的まれながんでしたが、最近では年間3万人近くの方が亡くなっています。男性はがん死亡の第5位、女性は乳がんを抜いて第4位の死亡数です。膵がんがなにより恐い理由は、早期発見が難しいことです。膵臓はおなかの最も奥にあり、検診や各種検査でもかなり見つけにくいのです。ちょうど数の子のような感じで、薄っぺらく、しっかりした外膜がないので、1〜2cmの大きさで充分に転移可能な進行がんになってしまします。転移を起こしやすい上に、小さな状態では発見できないという治療困難な難治がんと言えます。
 ところが最近、熱心な先生方による医療連携において、少しづつではありますが、比較的早期のがんが見つかるようになって来ています。開業医と専門医の緊密な連携が大切で、何か気になることがあれば、早めに相談することが大切です。下に気をつけるべき所見をあげておきますので、参考にしてください。
*原因不明の腹痛・背部痛がある
*膵酵素(アミラーゼ・リパーゼ)の異常を指摘された
CA19-9,CEA,エラスターゼ1など腫瘍マーカー高値
*超音波検査で、膵のう胞や膵管拡張がある
*慢性膵炎といわれたことがある
*急性膵炎にかかったことがある
*糖尿病が急に発病した・悪化した
*膵がんの家族歴がある
 (なにわ早期膵がん発見プロジェクトより一部改変)
これらの症状や所見のある方は、一度かかりつけ医に相談の上、
専門医受診をお勧めします。当院の近隣では、大阪赤十字病院と警察病院が、医師会と協力していただいております。