町医者の生態をゆるくつづったブログ

続 がん転移のリスクについて

 前回の続きですが、
なぜ 手術を拒否されると 主治医は困るのかというと
その後に 自信が持てないからです。
医者は 自ら考えられる最善の方法を 患者さんに勧めて
うまくいかないときは 次善の策を またその次をと
考える習性があります。 最善と考える作戦を 患者さんが
選んでくれないと 急速に やる気がなくなります。
 なぜか? その後の結果が悪かった時に 自分の感情の
コントロールができないからです。 患者さんが選んだことだから
仕方がないや とは考えにくいのです。
もっと説得しておけばよかった と必ず考えてしまうのです。
だから 医者がある程度以上の自信を持って勧めた治療を拒否されたら
できたらもう自分に関わらないでほしいと考えるものなのです。
これは 決して プライドを傷つけられたからではありません。
 もっと 永く 生きられたのに 説得できなかった無力感を
自戒するのが つらく、 医師としての存在価値を 落としてしまうから
なのかもしれません。 ナイーブ過ぎるといえば それまでなのですが
愛があるからといえば 聞こえがよすぎるのでしょうか?