町医者の生態をゆるくつづったブログ

すい臓がんについて

 膵がんは 難治がんの 横綱です。 早期発見が難しく、近年とても増えているから厄介です。 年間2万8000人が罹患し、ほぼ同じ数の方が亡くなっています。つまり発見から死亡までが1年以内が圧倒的に多いことを表わしています。発見後5年以上生きられる方は10%以下で、とても厳しいのです。
 なぜかというと、早期発見が難しいからです。おなかの中といっても、胃袋の裏に隠れており、1cm位しか厚みがなく、すぐに外に向かって転移してしまうからなのです。 周囲のリンパ腺にも、肝臓にも あっという間にがん細胞が到達してしまうのです。 欧米ではもう完全に手術はしないがんになっています。日本では ごく稀に 人間ドックなどから発見される膵がん(無症状のもの)に手術後長期生存がみられます。
 大変 厳しいがんですので、糖尿病のある方・慢性膵炎のある方・アルコール多飲傾向にある方・健診で膵のう胞が見つかった方などは、要注意です。