町医者の生態をゆるくつづったブログ

花粉症が完治する時代が来た?

アレルギー性鼻炎の患者さんが激増しています。
スギやヒノキの花粉症だけが原因とは限らず、
SPM(黄砂やPM2.5)、NOx・SOx(硫黄・窒素酸化物)などの
大気汚染、ダニ・ホコリアレルギーなども鼻炎の原因になるので、
花粉症がなくてもこの季節は油断できません。
当院でもこの時期、約20種類の内服・点眼・点鼻・漢方・頓服などを
駆使して治療にあたっています。
 ところで、昨年秋、新しく舌下免疫療法が一部の病院で
保険適応になりました。
以前より、減感作療法といって、スギ花粉症を完治させる治療は
存在していました。
しかし注射を毎週2-3年続けるというのは
あまり実際的ではありませんでした。
しかし、注射のかわりに舌下する(口に含む)
お薬でも効果が期待できれば、という発想から開発されました。
毎日、数年間お薬を舌下することで10-20%の方が
スギ花粉症から解放されるという朗報です。
また約40-50%の方にピーク時の症状軽減が認められるため、
スギ花粉単独で とてもつらい症状の方は
一考の余地があると思います。
ただし、治療開始は夏から秋ごろ始めなければなりませんし、
2週間ごとに3年間の通院が必要で、思ったほどの完治率でもなく
(注射の減感作は40%程度の完治率です)、
強い副反応(アレルギー性のショック)もごくまれに起こりうるので、
時間とお金と効果とリスクを総合的に判断して、
当院では取り扱わないことにしました。
それでもご興味のある方は、ご相談くだされば、
実施して下さるクリニックをご紹介いたします。