町医者の生態をゆるくつづったブログ

伝える力

 台風18号による大変な大雨で、河川が氾濫し、避難指示・避難勧告が出ています。
気象庁は「数十年来に一度の大雨・今までに経験したことのないような大雨」
といった表現を使って、注意喚起をしています。
 今までは、このような比喩や 強調した表現で気象情報を出すことはなかったのですが、
最近、色々な表現で 視聴者にわかりやすくかつ印象づける努力がうかがわれます。
あまりエキセントリックな表現を使いすぎると 今後使う言葉がなくなってしまうのでは、
と心配ですが、ニュース原稿を作る方には頑張ってもらいたいものです。

 そういえば、私も日々患者さんに伝える情報を、いかに分かってもらえるか、
印象づけるか に腐心しています。 正確な表現が 必ずしも患者さんには伝わらないことが
多いからです。医療用語は意訳しなければなりませんし、多少正確さに目をつぶってでも、
分かりやすく、記憶に残る表現をしなければ、何も伝わらなかったことになりかねません。
言葉以外の表現も大切です。発声(声色)の仕方、表情、強調する身振り手振り、微妙な
患者さんとの距離感、相手の反応など慎重に推し量りながら コミュニケーションに努めます。

 考えてみれば 我々医師は、 言葉以外のコミュ二ケーションがかなり大切で、
悪い情報を伝える必要があるときには とても神経を使います。

テレビやラジオのアナウンサーは、言葉だけで情報を伝えることが必要なので、
大変だなーを思いました。