町医者の生態をゆるくつづったブログ

ラブレター(その2)


Sさんは94歳の快活なおばあちゃんです。 孫の男の子二人(ご次男の子)を育て、寄り添いながら、ずっと当院にかかりつけていたのですが、昨年 家庭の事情で ご長男の住む奈良にひきとられていきました。 「先生のおかげでな こんなババアが 長生きできたんやで 感謝してるで。この”ちんこ”(下の子の意)が高校卒業するまでは 死なんとこと 思とったんや。 これから 奈良で楽隠居すると思たら なんか 生きる甲斐がなくなるな。 ほなさいなら。」といって引っ越していきました。 口が悪く お世辞にも上品とは言えないかたですが、 とても心の温かい お孫さん思いの やさしい おばあちゃんだったので 寂しかったことを思い出します。
 先日 1年ぶりに 1枚のはがきが届きました。 うちにかかることは今後もないと思いますが、るる感謝の言葉が綴られていました。1年経ってもお手紙を送ってくれるお気持ちが嬉しいのと、表書きに電話番号が書かれていて 自分専用回線であることと 赤枠で囲みがあり、充分なアピールと わかりました。

 6歳の女の子と 94歳のおばあちゃんから 続けてラブレターをもらえて 開業医冥利に尽きる 真夏の出来事でした。