町医者の生態をゆるくつづったブログ

おひとりさま

 最近よく 「おひとりさま」 という言葉を耳にします。
結婚しないで ひとりでずっと生きていく方 のことをいうのでしょうが、
あまり いい意味で使っていないような 印象を受けるのですが どうでしょう?


 当院に ずっと開院以来 通っておられた もうすぐ87歳になるはずだった女性が 
お亡くなりになったと聞きました。 


 ご自宅で意識がなく倒れておられたのを ご近所さんが発見され 
救急車で病院に搬送されたのですが、 約1週間で絶命されたそうです。 


 とても 気丈な方で 若いころから 男性にも同性にも 絶対に負けたくないと 公言されていて、 
職業婦人(当時の言い方)で 一生独身で子供も産まない人生を ご自分の意志で 貫き通されました。

 さすがに 最近3か月ほどは 少し体力・気力ともに 衰えを感じていましたが、 
おそらく最期は 周りのみんなに 面倒をかけたくない一心から 
ご自分で寿命と 達観されたのではないかと 強く強く確信しています。 


 後を語り継ぐ人は少ないかもしれないけれど とてもキラリと光る人生だったことを 私は知っています。 
言っておられたとおりに あまり他人様に 迷惑をかけないで おひとりさまとして 旅立たれましたね。


 考えてみれば だれでもみんな 生まれた時も死ぬ時も、 必ず おひとりさま なんですね。


 心よりご冥福をお祈りします。