町医者の生態をゆるくつづったブログ

乳がん

 北斗晶さんが乳がんであることを告白して、

何かと世間の注目を集めている乳がんですが、

近年急上昇・増加しているがんのひとつです。

年間4万人以上の方が新たに乳がんにかかり、

1万人以上の方が命を失っています。

女性が一生のうちに乳がんにかかる率は約12人に1人

アメリカは8人に1人)ですから、

とてもありふれた病気になってきています。



 以前は、乳房全体を切除する手術が一般的でしたが、

現在ではがんの周囲の一部のみを摘除して、

残存する乳房に放射線を照射する、

乳房温存手術が主流となっています。

また、ホルモン療法や化学療法も、

患者さんのがんの性質に合った治療法ができるようになり、

生存期間の延長や、再発率の低下が

期待できるようになってきました。

40代後半から60台にもっとも多いがんですが、

それより若くても、それより高齢でも油断はできません。

検診をうけることも重要です。

40歳以上の方は、2年毎にマンモグラフィーをうけましょう。

30代の方は超音波検診となり、当院でも取扱い可能です。

月経終了後4-5日から1週間程度あとにご来院下さい。

大阪市民であれば自己負担1000円でうけられます。

 ちなみに、男性の乳がんもまれにあります。

女性の100分の1の確率ではありますが、年間に数百人が罹ります。

男性でも乳頭の直下に小さな乳腺組織が存在するからです。

 乳がんの早期発見のためには自己検診が有効です、

お風呂の中で月に1回、月経終了後数日してから、

平手(指先でなく手のひら)で確認してみましょう。

前の月になかったシコリが触れる場合は

健康保険証をもって受診しましょう。

1-2㎝以下で発見できれば、治療後の予後も充分期待できます。